巻頭に”負の世界遺産”とも呼ばれる原爆ドームの写真を使ったのには色々な想いがあります。
お恥ずかしい話ですが、大学に進学して間もない頃、インターネット上の詐欺に引っかかってしまいました。
その時すぐに弁護士事務所へ相談に行ったのですが「取り戻すことは無理ですね」と言われ、それまでに貯めていた預金を失うだけでなく、借金を背負うことになったのです。
親に言えるわけもなく、私は自暴自棄になり、夜の街へアルバイトに行くようになりました。
そして将来、必ずや社会悪に立ち向かえる法律家になろうと決心したのです。
それまではなんとなく法律の授業を受けていただけでしたが、そこからは一生懸命に法律を勉強するようになりました。
そんなある日、自分の父親ぐらいの年齢の人と知り合い、お話しする機会があったので色んな相談に乗って頂きました。
Aさんとの会話です。
A「法律家って、弁護士になりたいの?」
私「はい、やはり困っている人を救うのは弁護士かなと思ってます」
A「じゃあ今、大学で習ってる法学なんてクソの役にしかならんと思うよ」
私「え、どういうことですか?」
A「だいたい学校で教えるような教科書に載ってる法学なんて刑法はともかく民事事件なんか実際と全く違うからね」
Aさんが言うに、民事事件はとても複雑で、それゆえ判決に至るまでに裁判官が示談を勧めるのが通例になっていて、勝訴または敗訴に辿り着くまでに裁判が終わってしまうのが殆どであるということ。
仮に自分が弁護したクライアントを勝訴に導いたとしても、相手に資力が無かったり、隠されたりしたら取れないこと。
そして示談にしても殆どが減額されるため、クライアントが受けた被害やダメージを全てカバーしてあげられる可能性が非常に少ないことでした。
続けてAさんは
「交通事故や離婚調停なんかの単純案件を専門にして月に20万や30万、運よく50万や100万稼げる弁護士になりたいのならともかく、複雑な刑事事件や民事事件に巻き込まれて困っている被害者を救いたいなら、司法資格より人間力を磨かないとね、人間的な実力を付けないと無理だよ」
私は目から鱗が落ちました。
司法資格さえとって、弁護士になれば救えると思っていた自分の浅はかさに気づかされたのです。
そういえば、私が相談に伺った弁護士も「無理」の一言だった。
私がこのまま資格をとっても、そんな弁護士にしかなれないだろうと気がついたのです。
他にAさんは
「自分は大勢の弁護士を知っているけど、優秀だと尊敬できるのは100人に1人程度、しかも弁護士なんてお金を出したら雇える。
大切なのは、困った人をどうすれば救えるかということで、そこを満足させれることを考えないとキミの夢や目的は達成できないんじゃないのか」
とおっしゃいました。
その日から私はがむしゃらに法学を勉強することを辞め、人間力を付けるべく努力の方向を転換したのです。
Aさんを初め、多方面で人生経験や社会的経験を積まれている方々とお話をし、色んなことを教えて頂き学びました。
そしてそのような頼もしい方々に支えられ、会社を立ち上げ、危機救済センターを開設する運びとなったのです。
開設以来、多くの案件を頂き、たくさんの被害者の皆さまから感謝頂いているのも、陰で私を支えてくださる各方面のOBで構成されている相談役の面々、また依頼主のことを誠心誠意に考えてその熟練された力を惜しまず発揮してくださる弁護士の先生方のお陰であると本当に感謝しております。
順風満帆に人生が終焉すれば何の問題もないですが、長い人生にはたくさんの苦難も待ち受けています。
ある日突然、自分の身に爆弾が投下され、悲劇の主人公になる可能性は誰にでもあるのです。
それは仕方ないとして、それをどうやって乗り越えられるかがあなたの人生にとって大切な分かれ道だと思うのです。
私たちにご相談頂ければ、必ずやお力になれる自信があります。